プログラム紹介Program
北海道大沼プログラム
【北海道大沼】命と暮らすイノチたち

更新日:2013年12月26日  プログラム:北海道大沼プログラム

ふくしまキッズでは、どこのコースでも多様な年齢層の方々と生活をしていますが、ここ大沼でも、夕方の温泉には地域のおじちゃん・おばちゃんと一緒に入り、食事は子どもやスタッフ、その家族…それこそ1歳児から70代の人生の大先輩までが一堂に介し、同じ釜の飯を喰らうという、まるで「大家族」のような生活を送っています。
大沼は、さらに多様な「生き物」「動物」「命」に囲まれた生活をしています。
子どもたちが泊まっている宿泊棟のすぐ隣、あるいて5秒のところに、道産子とポニーが飼われています。子どもたちは1日3回、えさやりやブラッシングをやります。単なる体験ではなく、子どもたちにそのお世話をいわば「委託」されておりますので、けっこう本気です。でも、毎回けっこうな子どもたちが手伝ってくれますし、いつの間にか当番制なるシステムが出来上がっており、頼もしい限りです。
ちなみにこの馬達は、単なる愛玩動物ではなく…近い将来、心の病気を癒してくれるセラピーホース、あるいは森から木を引っ張り出してくれるロギングホースとして人と共に働く予定です。そのために、子ども達と一緒に暮らして人との距離を縮めています。
もうちょっと歩いたところでは、もっとダイナミックな作業をする大きな馬がたくさんいたり(じつに30頭!)、ヤギやヒツジが牧草を食べたり、妙に足の長い秋田犬が愛嬌をふりまいたりしています。春から秋にかけては、農場にさまざまな作物が栽培され、新鮮な野菜が収穫できます。暖かくなったら、ウサギやニワトリも引っ越してくる予定です。
そして、ふと周囲を見渡せば…、森のすみっこからキツネやテンが私たちの様子を伺い、ネズミやエゾリスが木々を飛び回り、空を見上げればばおびただしい数の猛禽たちがタカ柱を作り、ハクチョウがV字編隊を組んで飛び、これからの大沼ではワカサギ釣りがピークを迎えます。
そう、大沼の子どもたちは、まさに北海道的・農的暮らしのど真ん中で生活しているのです。
生き物どうしがお互いのポテンシャルを理解し、お互いにお伺いを立てながら、お互いに役立つ活動を提供し合うという相互扶助的な生活は、新しくもどこか懐かしい雰囲気を醸し出しています。
皮膚で感じる温かみ、鼓動。本能を掻き立てるにおい、音。
言語では表現しようのない、生き物の存在感、気配、波動。
「かわいい」だけでは済まされない、日々の飼育作業、掃除、片付け。
そしてなにより、優しい表情と眼差し。
子どもも大人も、多様な命と共に生きる、という生活を通して…、心がだんだんと調律されていくような時間を過ごしています。

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