更新日:2013年8月6日 プログラム:北海道 Bコース
小さな女の子が、「やったーーー!」と
はじけるような笑顔を見せながら事務所に飛び込んできました。
なぜかロープを持って、ぴょんぴょん飛び跳ねています。
何があったのかを聞いてみたら・・・、これでブランコを作るんだって。
どうやら、
「やりたいことミーティング」で、以下のようなやりとりがあったようです。
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スタッフ(S):「これからやりたいことを聞きます。なにやりたい?」
(うわーっとみんな一斉に話し始める)
子ども(C):「公園であそびたい!」
↑まあ、来たばかりの小さな子どもって、意外とそういう感じ。
S:「こ、公園?なるほどねぇ。でも、このあたりには公園がないんだよな。
公園で何したいの?」
C:「ブランコ!」
S:「ブラン・・コ・・? まあ、そうだよねぇ。やりたいよね。
でも、ブランコも、ここにはないんだよなあ」
C:「でもやりたい!」
(S,悩みながらも)
S:「う~ん、どうしよう・・・。そういえば、ロープと木の板、あるなあ。
作ればできるけど、作れるかなあ」
C:「やってみる!あそこの木の枝で出来ると思う!」
S:「あ、そうそいえば、事務所にロープがあるわ。
じゃあ、一緒に作ってみようか?」
C:「やってみる!!!」
さあ、お昼ご飯のあとは、ブランコ作りだよ。
とうきび食べながらも、ロープが気になってなりません。
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大沼では、「やりたいことミーティング」「あそび会議」といった
話し合い活動をよく展開します。
子どもたちの内発的な思いと、
大人たちの中にある引き出しをぶつけ合い、
あれもやりたい、これもやりたい、
でも実際は限界がある、都合がある、
そんなことを率直に議論して、
子どもも大人も納得する遊びを作り出し
言葉は悪いですが、まあ、みんな、勝手に、思い思いに遊びます。
これ、傍から見るとノープランに見えてしまいがちで、
開催要綱とかにこう書かれていても、
いまいちイメージができません。
ですが、実はかなり高度なプログラム展開手法であり、
最も子どもの思いに寄り添った活動だと考えています。
まず、大人側の「いろんな技を持っている」
という引き出しの多さが求められます。
技術や道具、経験が豊富にあるのはもちろん、
「あ、それだったら○○の△△さんがやってくれる」という
地域ネットワークも必要です。
(昨日は、地域の方に突然森のガイドをお願いした)
それ以上に、
子どもたちから「やりたい」という内発的動機を引き出し、
その引き出した思いをまずは受け止め、
諸々の事情や都合を合わせて
「こんなやり方ならできる」「それ、いいね!」
という話し合い活動をとおして
1+1=α、というか、「正解」ではなく「納得解」を
子ども達と一緒に創出するセンスが求められます。
このあたりが難しいところであり、面白いところです。
目下、若手ディレクターが、いかにパンチの効いた遊びを引き出すか
日々奮闘しております。
さっきの女の子のぴょんぴょんした笑顔には、
そんなプロセスがあったようですね。
ブランコで遊べる、ということも嬉しいけど、
話を聞いてくれて、みんなと話し合って、
いいアイデアが出て、それが実現できるのが嬉しくてたまんない。
わたしたちも、ぴょんぴょん飛び跳ねたくなるよ。
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子どもの笑顔を作るだけなら、ある意味簡単。
与え続ければいい。カンタン。
でも、それって、本当の笑顔なのかなあ。
できれば、
「生み出す」「納得する」「共感する」
そんな空気の中でにじみ出る笑顔っていうのがいいなあ。
そうだ、
大沼チームは「笑顔の質」にとことんこだわったプログラム提供を
目標にしよう。
大沼プログラムの若手ディレクターたちは、そんな思いを大切にして、
今日も子どもたちの前に立ちます。